1歳11ヶ月の子どもが、
何をするにも「イヤ！」ばかり。
- 言い聞かせても、
- なだめても、
- どうにもならない──
そんな毎日に、ココロが折れそうになっていませんか？
- 「私の育て方が悪かったのかな」
- 「もしかして発達に問題があるのでは…」
そんなふうに感じてしまうお母さんはとても多いです。
でも安心してください。
1歳11ヶ月で「イヤイヤ」が激しくなるのは、
実は発達が順調に進んでいる証拠でもあります。
この時期の子どもの反応には、きちんとした理由があります。
この記事では、以下の5つがわかります。
この記事を読むとわかること
- 1歳11ヶ月のイヤイヤ期が強くなる心理的な理由
- 発達心理の3段階から見る「こころの育ち」
- よくあるイヤイヤ行動とその背景
- 怒ってしまう母親の感情の整理法
- 子どもとの信頼関係を守る3つの関わり方
さらに後半では、OsakaChildが開発したHSP傾向・発達グレーの子どもを育てる母のための再安心プログラムも紹介しています。
「怒らないママ」を目指すのではなく、安心して育児に向き合える私に戻るための3週間です。
監修者
株式会社Osaka-Child所属 精神科医
- 名前: 川村恵子
- 出身地: 福岡県
- 最終学歴: 京都大学医学部 精神神経学専攻
- 専門分野: 精神病理学、ストレス管理、認知療法
- 職歴: 京都大学医学部附属病院精神科勤務（10年）、独立後、大阪で精神科クリニックを開設
専門分野について一言: 「心の健康は全身の健康へとつながります。一人ひとりの心の声を大切にしたいと思っています。」
株式会社Osaka-Child所属 小児科医
- 名前: 高橋和明
- 出身地: 大阪府
- 最終学歴: 東京大学医学部 小児科学専攻
- 専門分野: 小児感染症、アレルギー科学
- 職歴: 東京大学医学部附属病院小児科勤務（10年）、その後、大阪で小児科クリニックを開設
専門分野について一言: 「子供たちは未来です。彼らが健康に、元気に育つことをサポートします。」
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1歳11ヶ月でイヤイヤ期が強まる理由とは？
1歳11ヶ月でイヤイヤ期が強くなるのは、
子どもが母親との信頼関係をしっかり築けている証拠
です。
十分に甘え、安心できる環境があったからこそ、
「自分の意思」を試したくなる欲求が芽生えてくるのです。
発達のポイント
乳児期に泣いたり呼んだりしたとき、
誰かが応えてくれた経験は、
「人は信じても大丈夫」という基本的信頼感になります。
この基本的信頼感があるからこそ、
子どもは
- 「自分でやってみたい」
- 「でも見ててほしい」
と、
一人の人間としての主張や自己決定欲求を出し始めます。
つまり、イヤイヤ期はただの「反抗」ではありません。
母親との安心感を土台にした、健全な成長過程なのです。
ママに伝えたいこと
「うちの子、何でも『イヤ！』ばかりで…」と思っても、
それは愛情がしっかり届いている証。
安心できる環境があるからこそ、「自分」を出せているんです。
このあとに続く「発達心理の3段階」で、
より詳しく子どものココロの成長プロセスを見ていきましょう。
発達心理から見るイヤイヤ期｜子どもが成長する3つの段階
「こんなに激しいイヤイヤ期、私の育て方が悪かったのかな…」
そんなふうに感じてしまうお母さんも多いでしょう。
でも、それはまったく逆です。
イヤイヤ期は、
子どもが安心して「自分」を出せるようになったサインです。
3つの段階で育つ「こころの土台」
人のこころの発達には、年齢ごとに大きな段階があります。
ここでは、アメリカの発達心理学者エリク・H・エリクソンが提唱した理論をもとに、
イヤイヤ期を迎えるココロのプロセスを見ていきましょう。
第1期：0〜17ヶ月｜「信じても大丈夫」を覚える時期
この時期の子どもは、
- 泣けば応えてもらえる、
- 求めれば抱っこしてもらえる
という体験を通して、
「人を信じても大丈夫」という基本的信頼感を育てます。
この信頼感がぐらついていると、
後の自己主張（イヤイヤ）を出すことが難しくなります。
第2期：18ヶ月〜3歳｜「自分で決めたい」が芽生える時期
- 「やる！」
- 「いや！」
という言葉が出るのは、「自分」という感覚が芽生えはじめた証拠。
ここでは
- 「自律性（やってみたい）」
- 「恥・疑惑（やっちゃダメかも）」
がせめぎ合っています。
この段階では、
「見守っているよ」というメッセージが、
子どもにとって自信を育てる大きな力になります。
第3期：3〜5歳｜「時間の見通し」と役割意識が芽生える時期
まだ1歳11ヶ月では難しいですが、
やがて子どもは
- 「待つ」
- 「順番」
- 「約束」
といった
- 時間の見通し
- 他人との役割意識
も持てるようになっていきます。
この段階を焦らず待つことが、
イヤイヤ期との付き合い方にも大きな影響を与えます。
お母さんへ伝えたいこと
イヤイヤ期は、子どもがこころの成長を遂げている証。
それは、あなたがこれまで安心を届けてきたからこそ起こることです。
「イヤイヤを引き出せるくらい、信頼されている」
── そう思って、自分の育て方を誇ってくださいね。
よくあるイヤイヤ行動とその理由
“毎日怒ってしまう私”から、抜け出したいあなたへ。
この3週間が、感情がぶつかる親子関係を、安心してつながり直す時間になります。
1歳11ヶ月になると、
「うちの子、最近『全部イヤ！』ばかりで…」
と悩むお母さんはとても多いです。
でもそれは、
特別なことではなく、成長のごく自然な一場面です。
ここでは、
よくある3つのイヤイヤ行動と、
その裏にある子どものココロの理由を見ていきましょう。
①「なんでもイヤ！」：自分の意思を試している
- ご飯もイヤ
- お風呂もイヤ
- 靴もイヤ
──そんな「全否定モード」に入ると、母親としては消耗してしまいますよね。
でも実はこれ、
- 「自分の考えで動きたい」
- 「自分で決めたい」
という自我の発達のサイン。
ココロの中で、
- 「どう主張すればいいのか」
- 「ママはどう受け止めてくれるか」
を無意識に試している状態です。
② 着替えやオムツ替えを拒否：感覚やこだわりが関係している
- 服を脱がない
- オムツを替えさせない
これは単なるわがままではなく、
- 素材のチクチク感
- 濡れた感覚、
- ルーティンの変化に対する敏感さ
が関係していることもあります。
特に
- HSP気質
- 発達グレーの傾向
がある子は、
「イヤ！」の強さやタイミングが独特なことも。
「なんで今なの？」ではなく、
「この子にとって何が不快だったのか？」
と立ち止まる視点がヒントになります。
③ 歯磨き・お風呂・お出かけ前に暴れる：切り替えの難しさ
時間に追われる朝や夜に限って、
- 「歯磨きイヤ！」
- 「お風呂イヤ！」
と大騒ぎ
── これは、
今やっていたこと（遊びなど）から別の行動に移る「切り替え」が難しいというサイン
です。
1歳後半〜2歳前後の子どもは、
「今」を生きています。
だから、
「数分後には楽しくなる」といった見通しを持つのは、
まだ難しいのです。
「困った行動」ではなく、「成長の一部」として見てあげて
イヤイヤは、
わざと困らせているのではなく、
「自分」を確かめているだけ。
もちろん、毎回冷静に対応できるとは限りません。
でも、
「なぜこの子は今こうなっているのか？」
という視点の引き出しを持っているだけで、
怒りや不安が減っていきます。
次の章では、
- 「それでも怒ってしまった」
- 「イライラが止まらない」
そんなときのお母さん自身のココロの整理法をご紹介します。
母親がつい怒ってしまうときのココロの整理法
- 「こんなに怒るつもりじゃなかったのに…」
- 「優しくしたかっただけなのに…」
子どものイヤイヤに毎日向き合っていると、
頭ではわかっていても、
気持ちがついてこないときがあります。
そして、
怒ってしまった後に自分を責める気持ちがやってくる
──これは、多くのお母さんが経験することです。
怒りの奥にあるのは、「誰にもわかってもらえない苦しさ」
怒ってしまう自分を責めるとき、
実はココロの奥には
「こんな大変さ、誰もわかってくれない」という孤独や不安があります。
それは、
あなたが必死にがんばってきた証でもあります。
- がまんして
- 努力して
- やさしくなろうとしている
からこそ、
限界に達したときに爆発してしまうのです。
「怒ってしまう私」はダメじゃない
怒りの感情は、
あなたの中の「安心の土台」が揺らいでいるサイン
でもあります。
それは、
「もう限界」というココロの叫びです。
だからこそ大切なのは、
子どもを変えることよりも、まず自分自身の安心を取り戻すこと。
そうすれば、
子どもの「困った行動」も、以前ほど深刻には感じなくなります。
「感受性が強い子ども」を育てるママの繊細さと傷つきやすさ
実は、
HSP気質や繊細な感性をもつ子どもを育てているママ自身も、
同じように
「敏感でがんばりすぎる」傾向
を持っていることがあります。
そんなあなたにこそ必要なのは、
「もっとがんばること」ではありません。
がんばってきた自分を休ませて、安心の土台を整えることなんです。
「私の安心」を取り戻すことで、親子関係は変わっていく
怒りの感情や罪悪感は、
あなたが悪いから生まれたものではありません。
それは、
「私にはもっと安心が必要だよ」というココロのサイン
です。
イヤイヤ期の子どもと向き合うあなたが、
「怒らない親」になる必要はありません。
でも、「安心して向き合える親」になることは、ちゃんとできます。
次のセクションでは、その安心を取り戻すための3つの関わり方をご紹介します。
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子どもとの関係を守る「3つの関わり方」
イヤイヤ期の嵐の中でも、
子どもとの信頼関係を守りながら過ごすことはできます。
ここでは、
感情がぶつかる毎日の中で実践しやすい「3つの関わり方」をご紹介します。
①「その気持ち、わかるよ」と「受け止める」
- 「イヤだったんだね」
- 「やりたかったんだね」
と、まず気持ちを認めるひと言を伝えることで、
子どもの中にある
「どうしていいかわからない感情」
が少しずつ落ち着いていきます。
正しさよりも、
共感から始める──それだけで関係性は変わっていきます。
②「できたこと」を見つけて、そっと伝える
- 大声で泣いたあとに切り替えられた。
- 最初は拒否してたけど、なんとか靴を履けた──
そんな「ほんの小さなできたこと」を、その場で伝えてあげることが大切です。
- 「できたね」
- 「がんばったね」
の言葉は、子ども自身の安心感を育てる栄養になります。
③「無理に変えようとしない」関わり方もある
ときには、
- 何をしても泣き止まない
- 理由もわからない
- 受け止めきれない
そんなときは、
「変えようとしない」ことも、立派な関わり方です。
そばにいて、
時間が過ぎるのを一緒に待つ
──それだけでも、子どもは「ひとりじゃない」と感じられるのです。
完璧な対応じゃなくていい。安心できる関係性があれば
イヤイヤ期に必要なのは、
「間違えない関わり方」ではありません。
不安や怒りがあっても、
「つながりが切れない関係」を育てていくことです。
そのためには、
子どもの感情だけでなく、
お母さん自身の感情も大切にすることが必要です。
「私も安心していいんだ」と思えたとき、親子関係は動き出す
もし今、
子どもの反応に戸惑い、
怒ってしまう自分に悩んでいるなら
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1歳11ヶ月という時期は、
子どものココロが大きく育ち始めるタイミングです。
- 「全部イヤ！」
- 「泣きわめく」
- 「着替えも拒否」
──そんな毎日が続くと、お母さん自身が疲れ切ってしまうこともあるでしょう。
でも、
その反応の裏には、
あなたとの信頼関係が育っている証拠があります。
ポイント
安心できる存在がいるからこそ、
子どもは「自分」を出せるようになるのです。
とはいえ、
どんなに愛情をもって接していても、
- 余裕がなくなったり、
- 怒ってしまったりする
ことはあります。
そんなときに大切なのは、
「もっとがんばる」ことではなく、
お母さん自身の安心を回復させることです。
特に、感受性が強い・こだわりが強いなど、HSP傾向や発達グレーゾーンの子どもを育てていると、
育児の負担は何倍にも感じられるもの。
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だからこそ、次は自分のココロを守るサポートを受け取ってください。
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- 1歳11ヶ月の強いイヤイヤに、どう向き合えばいいかわからない
- 子どもの反応に振り回され、怒っては自己嫌悪を繰り返している
- 自分がどこまで崩れていくのか、少し怖くなってきた
限界までがんばってきたあなたに必要なのは、「育て方」じゃなく「回復の仕方」です。
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